2024.05.09

沼田光器株式会社のプレスリリースを配信しました

ダイヤモンドの次に硬い「サファイアガラス」を鏡のようにピカピカに!その研磨技術は国内トップクラス。高級ブランド時計から光学機器まで、難易度の高い加工をこなす老舗工場の匠の技をご紹介します。

(本記事は「足立ブランド」としてPR TIMESに掲載したプレスリリースの転載になります)

■高級ブランド時計に使用されるサファイアガラス

腕時計の文字盤をカバーするガラス。メーカーによって様々な素材が使われています。その中でも特に、高級ブランド時計に好んで使用されている素材が「サファイアガラス」です。

サファイアガラスは無色透明に作られた人工物で、視認性が高く腕時計には最適。その硬度はダイヤモンドの次に高く、天然のサファイアと同等。組成もサファイアと同じであることから、サファイアガラスと呼ばれます。

硬いガラスとして知られているものには、スマートフォンやタブレットに使用されている「ゴリラガラス」がありますが、サファイアガラスの硬度指標はゴリラガラスの約2倍。加工コストは5〜10倍ともいわれています。それほどサファイアガラスの研磨や加工は難しく、優れた技術が求められることがうかがえます。

現在、日本国内で腕時計用のサファイアガラスを製作しているのは2社のみ。そのうちの1社が、足立区にある沼田光器株式会社です。

■ サファイアガラスとは

サファイアガラスについてもう少し詳しくお伝えします。天然のサファイアは、宝石としてよく知られていますよね。サファイアガラスは、アルミナ(高純度酸化アルミニウム)を人工的に巨大な結晶にしたものです。

宝石の硬さを1〜10で示すモース硬度では、サファイアガラスは「9」の評価を受けています。ダイアモンドの「10」に続き、2番目に高い硬度です。その硬さと強度から、腕時計などの装飾品だけでなく、工業材料としても利用されています。

サファイアガラスの大きな特徴は、次の3点です。

①非常に硬く、傷が付きにくい
上述の通り、サファイアガラスはとても硬く、傷が付きにくい素材です。そのため、サファイアガラスを削るためにはダイヤ工具やダイヤモンドパウダーを用いる必要があり、職人の高い技術も求められます。

②熱に強い
サファイアガラスは、熱伝導率が一般的な耐熱ガラスよりも高い特徴があります。一般的な耐熱ガラスは1,200℃の熱までしか耐えられないのに対して、サファイアガラスは2,000℃まで耐えることができます。

③透明度が高い
サファイアガラスは、天然鉱物ではなく人工的に作られた素材です。不純物がなく、研磨することによって無色透明になり、その輝きは半永久的に維持されます。

■サファイアガラスの使用例

非常に高い硬度と強度、無色透明の美しさを持つサファイアガラスは、腕時計の他にもさまざまなものに活用されています。

サファイアガラスを用いた製品の一部をご紹介します。

◯高輝度LED基板

耐熱性が高く、透明で光を通しやすいことから、従来の石英に代わってLED関連の製造材料とされています。また、青色発光ダイオードなどの基板にも使われています。

◯極環境の窓

高圧タンクののぞき窓など、高い強度が求められる場所にもサファイアガラスが使用されています。また、耐熱性と耐食性があることから、高温装置、化学プラント、地中や海中などの極環境の窓材としても最適です。

◯検査治具
硬度が高く、無色透明で光を透過することから、部品や製品の精密度を検査する検査治具としても使用されています。

◯研究、実験装置部品
高い硬度と耐熱性、アルカリ性や酸性の薬品への耐腐食性などの特徴から、大学や公的機関の研究室などにある装置の部品として使用されています。また、乳鉢やるつぼなどの実験器具にも使用されています。

■研磨が難しいサファイアガラスを扱う高い技術力

優れた特性によってさまざまな分野で利用価値の高いサファイアガラスですが、その硬さゆえに、研磨と加工が難しいという側面もあります。

下の写真の、左が研磨前、右が研磨後のサファイアガラスです。人工的に作られたサファイアガラスは、はじめは半透明のすりガラスのような形態をしていて、研磨することによって透明になり、さまざまな用途に使用することができるようになるのです。

同社では現在、直径5㎜から150㎜まで、幅広いサイズのサファイアガラスの研磨・加工を行っています。

硬度「9」という非常に硬い性質から、サファイアガラスの研磨には、通常のガラス研磨とは異なる高い技術が必要です。機材の扱いにも特殊な知識と経験が求められます。

沼田光器株式会社は、1960年に創業。初代の下川年寿氏によって、双眼鏡などの光学レンズの製造から事業をスタートしました。1990年から、サファイアガラスの研磨・加工も手掛けるように。親子三代にわたり、レンズやガラス加工ひとすじで、技術開発を進めてきました。

半世紀の年月を経て受け継がれてきたその研磨技術は国内随一のレベルを誇り、各分野のメーカーから厚い信頼が寄せられています。

同社の職人たちは、「ひとつひとつのレンズに命を吹き込むように、真心を込め、愛情と情熱を持って、作り上げている」といいます。職人たちの日々たゆまぬ研鑽により、その高い技術力が支えられています。

■沼田光器で実現できる研磨方法

同社で実現できる研磨方法は次の3種類です。どの研磨方法にも、長い経験と実績に基づく職人の高い技術が活かされています。

①鏡面研磨(鏡面仕上)
鏡のようにクリアに映るような状態に仕上げる加工です。「表面が歪んでなく、肉眼で確認できるツヤのある状態」を指します。

②光学研磨
鏡面研磨のワンランク上の研磨方法です。光を当てても、表面に光の散乱や屈折などがなく、光学的に機能するように仕上げます。

③レンズ研磨
レンズの表面を磨くことで、ぼやけたり、一部分の像が伸びたりしないよう滑らかにした状態を指します。面の構成には、平凸・凸凸・平凹・凹凹・凸凹などがあります。
マッチ棒の先ほどの小さなものから直径20cm以上のレンズまで研磨が可能です。

■どんな加工でも、1個から発注が可能

沼田光器では、上記以外の加工方法に限らず、どんな研磨方法でも1個から受注しています。

制作の実績がない素材や形状の場合は、無料で見本品を製作することも可能です。「磨くだけ」の依頼にも対応しています。

研磨に関してお困りの際には、まずは作りたいもの、製作期間などを伝えるところから気軽に相談してみてはいかがでしょうか。ニーズに合った最適な方法を提案してもらえるはずです。

*お問い合わせフォームはこちら
https://www.numatakouki.com/contact.html


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企業情報

沼田光器株式会社
https://www.numatakouki.com/

会社名:沼田光器株式会社
住 所:東京都足立区江北2-41-7
電話番号:03-3898-4119
代表者:下川貴之
事業内容:
各種サファイアガラスの成型・研磨加工

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取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。

産業経済部産業振興課ものづくり振興係
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