製作実績は年間3万個!国内外有名ブランドの革製品を手掛ける老舗の工房が生み出す、古くて新しい「がま口」。世界が認めた高品質をあなたの手元へ。
(本記事は「足立ブランド」としてPR TIMESに掲載したプレスリリースの転載になります)
■ 明治から親子三代に受け継がれる手仕事の魅力
お出かけの際、必ず持ち歩くものといえば、財布です。長財布からコンパクトなものまでさまざまなタイプがあります。その中でも近年、幅広い世代において、がま口の魅力に注目が集まっています。
がま口の人気の秘密は、何といってもそのレトロな形と、開口部が広いことによる使いやすさ。
電子マネーが中心で現金を多く持ち歩かない人には、手の平サイズのがま口が便利です。また、マチがあるタイプのがま口であれば、スマートフォンや小物を入れてバックの代わりに使うこともできます。
がま口は日本の伝統的な財布のようなイメージがありますが、実はヨーロッパが発祥の地です。明治時代、ヨーロッパから帰国した商人が、がま口タイプの財布やハンドバックを持ち込んだことをきっかけに、日本でも製造されるようになりました。当時発行された硬貨を入れるのに便利であったことや、洋装が普及したことも相まって人気が高まったそうです。
そんな明治の時代から現代まで、三代にわたりがま口を作り続けているのが、足立区にある革製品の工房「ヴェールポイント」です。
ヴェールポイントの創業者は佐藤氏。業界では「がま口の佐藤」と呼ばれてその名が知れ渡っています。
同社の革製品は、その優れた技術と素材へのこだわりが国内外の有名ブランドにも認められ、現在では、年間3万個もの財布を製造する実績を誇ります。
■より良質なものを長く大切に使う時代に
あらゆる市場が成長しきっているといわれる現代において、できるだけ安く買える物を探すことは簡単です。単に財布という機能だけを求めるのであれば、大量に生産された、手頃な価格で手に入る商品でも十分かもしれません。
しかし近年は、物をただ消費するのではなく、質の高い物を長く大切に持ち続けたいと考える人が増えています。また、自分のお金を払うのであれば、作り手の思いが込められた商品に投資をしたいという声も聞かれるようになりました。
これらの発想は、サスティナブルな社会を考える上で、今後さらに広まっていくことでしょう。
ヴェールポイントのがま口は、量販品のような安さは求められませんが、一点一点、全て職人による手作業によって製造されています。特に曲線を縫う技術に定評があるため、丸くふっくらとした美しいがま口に仕上げられるのです。
やさしい手触りと形から伝わる、手仕事のあたたかさ。手に持つたびに、ほっと気持ちがゆるみます。
また、素材には、厳選されたイタリアンレザーや、国内の革工房にてオリジナルで製造された上質な牛革が使用されています。
イタリアンレザーとは、世界3大レザーの一つであり、イタリア国内で生産された質の高いレザーのこと。じっくりと時間をかけてなめされ、他国では再現できない味わい深い色合いが特徴です。
さらに同社では、がま口の他にもさまざまな種類の財布を製造しており、最近ではこのイタリアンレザーを使用した自社ブランド「peppercorn」も立ち上げています。
同社の製品は、毎日使う日用品だからこそ良質なものを選び、長く丁寧に使い続けたいという思いを持つ方に、しっかりと寄り添ってくれる商品です。
■高品質ながま口を長く作り続けられる理由
明治時代に同社で始まったがま口作りは、親から子へとその技術が受け継がれてきました。
三代目となる佐藤昭浩氏は、先代に製法を教わる際、「何を何ミリ動かすか、具体的に教えて欲しい」と頼んだそう。それに対して先代は、「ミリじゃないんだ。感覚なんだ」と答えました。
同社のがま口特有のふっくら感は、数値や理屈では語れない、職人の研ぎ澄まされた感覚によって成されるものなのです。この、代々受け継がれてきた「感覚」は、他社には決して真似することができないでしょう。
革製品の製造では、裁断・縫製・仕上げといった流れの中でいくつもの工程を経るため、各工程を外部に委託し、生産性を上げることが一般的です。
しかし同社では「日本の技術をもっとたくさんの人へ伝えたい」という思いから、全ての職人が、最初から最後までの工程を理解し、その上で制作を行っています。そのため、工房内での一貫した生産を実現することができるのです。
一つ一つの工程において、自社が保有する高い基準をクリアできるよう、職人の手によって細部まで緻密に仕上げられます。その結果、伝統的な製法を正しく受け継ぎ、次世代へとつなげられているのです。
■ 三代目革職人の声
私たちのがま口は、明治時代から始まり、祖父、父の代を経て三代目の私へと、長い間生産を続けてきたことで多くの方に知ってもらえるようになりました。
現在では、年間3万個もの財布を制作できる工房に。職人としての技術を受け継いで来られたという手応えを感じる場面も増えてきました。
とはいっても、まだまだ先代の技には及びませんが。
入社してからも、代表になってからも、いつも「この職人技をもっと世間に知ってほしい」という思いで取り組んでいます。
そのため、手に取っていただいたお客様には、ぜひ、当社のがま口の形に注目していただきたいです。各工程において、職人たちが本当に丁寧な手作業を施しています。細かな技術の積み重ねが、このふっくらとした形に表れているんです。
これからの展望として、伝統的なものづくりだけでなく、新しい発想も取り入れていきたいと考えています。自社オリジナルのブランドを展開し、より多くのお客様のニーズに応えられるような商品を生み出していきたいです。
一方で、取り組むべき課題ももちろんあります。
どの業界も人手不足に悩んでいますが、革製品の業界も他人事ではありません。この業界の未来のためにも、自分が受け継いできた技術をどんどん人に伝えて、新たな職人を育てていきたいですね。
幸い足立区内には、当社で修行をした職人が独立するなどして、がま口の製造業社や、開閉部の金具の業者などの仲間が揃っています。彼らとも協力し、足立区を「がま口のまち」と認識してもらえるよう、技術の向上と、次世代の育成に取り組んでいこうと思います。
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企業情報
有限会社 ヴェールポイント
https://www.vert-point.jp/
会社名:有限会社 ヴェールポイント
住 所:東京都足立区舎人五丁目18-12
電話番号:03-3856-9876
代表者:佐藤昭浩
事業内容:革製品の製作・販売
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