有限会社カシマウェルディングのプレスリリースを配信しました

カシマウェルディング 溶接ひと筋。「足立はこんな会社があっていいね」と言わせる職人技

(本記事は「足立ブランド」としてPR TIMESに掲載したプレスリリースの転載になります)

溶接加工を専門に、どんな難しい依頼でもたいていのことは「大丈夫ですよ。」と受けてくれるのが『有限会社カシマウェルディング』です。船舶の溶接修繕をメインに、家庭用の鍋からバイク、車いす、ヘリコプターのメンテ用架台など、様々な溶接修繕や、最新の溶接技術を活かした製品作りを行っています。そんな会社の代表・茨木堅さんには「いい仕事をして、足立区へ恩返しがしたい。」という思いがあります。

ほかでは無理と言われた溶接、受けてもらえますか?

「次はどんな依頼が来るのかって、毎日、会社のパソコンを立ち上げてメールを見るのが楽しみなんですよ。」

そう語るのは溶接加工を専門とする『有限会社カシマウェルディング』の代表・茨木堅氏。創業して36年、金属、非鉄金属の溶接ひと筋で経営を続けてきました。その技術力の高さが認められ、2012年、「足立ブランド」に認定された会社です。

<『カシマウェルディング』代表・茨木堅さん(左)、工場長で長男の真平さん(右)>

「うちでは鉄はもちろん、ステンレス、アルミやチタンなど、素材を問わずあらゆる溶接を受けています。特にアルミやチタンの溶接は難易度が高く、できるところはそう多くありません。だからホームページで探して、『ほかでは断られたんだけど、そちらでは受けてもらえますか?』と、メールや電話の問い合わせが各地から来るんです。」と茨木さん。

『カシマウェルディング』のメインの仕事は船舶の溶接修繕などです。ただ、そのほかにも家庭で使われている鍋、自転車やバイク、車いすテニスの競技用車いす、道路の手すり、イタリア製の高級ソファ、配管パイプなど、数え切れないほどの種類の溶接依頼が舞い込んできます。

<桟橋手すりを補強。既存の手摺の取り付け部分のボルトが締め切らなくなり

緩んでしまっている為、本体に補強プレートと手摺を溶接し固定しました。>

「そのほとんどが長年愛用され、人々の暮らしを支えてきたモノたちの修繕や改良のための依頼なんです。『ずっと使い続けている鍋の取っ手が外れたが、くっつけられるか』というご近所の方からの依頼もあれば、愛車のマフラーのクラック(亀裂・ひび割れ)修理、競技用車椅子の溶接を伴う椅子の取り換えなど、いろいろな依頼が来ます。ひとつとして同じ溶接にはなりません。そこが面白くて、やりがいにも繋がり、毎日メールを見るのが楽しみになるんです。」と茨木氏は話します。

<ステンレスマフラーの持ち込みでご依頼人と相談しクラック修理だけではなく

補強のプレートも溶接し強度を上げました。>

「この前はイタリア製の高級ソファの修繕依頼もあって、それはアルミ製の脚の部分のクラック溶接だったんですが、後でそのソファの値段を聞いたら、ウン百万円もするもので、びっくりしました。」と笑いながら教えてくれました。

車で2時間かかる隣県からの依頼。「足立区はいいですね」

ほかにも変わったところでは車のタイヤの冬用チェーンに関する依頼もあったそうです。

「『ほぼ新品の14インチのタイヤチェーンを持っているが、タイヤを15インチに変えたので、チェーンも15インチ用にできないか』という相談の電話がありました。」

その依頼者は神奈川県在住の男性。「まだほとんど使っていないチェーンを無駄にするのがもったいない。」と、まずは近所でその改造ができるところを探したそうですが、どこも見つからず、ホームページで見つけた『カシマウェルディング』に電話をしてみたそうです。

「私は話を聞いて、すぐ『大丈夫です。できますよ!』と引き受けました。」

ただ、茨木さんもタイヤチェーンのサイズを変える仕事は初めてのこと。知り合いの自動車修理会社から15インチのタイヤを借りてきて、どうすれば安全にチェーンを伸ばせるか、いろいろ試し、チェーンのコマを継ぎ足す形で依頼者のリクエストに応えました。

「その依頼者は神奈川から車で2時間かけてチェーンを持って来られたのですが、ほかの会社ではメールでの問い合わせに返信もなかったらしく、うちが即答で受けたことに感激していました。(うちみたいな会社があって)『足立区はいいですね』とも言ってくれました。」と嬉しそうに話します。

<『大丈夫。できますよ。』この一言にどれだけ救われるだろう。>

高度な溶接技術を活かしたもの作りも

『カシマウェルディング』では、修繕だけではなく、溶接を活かしたものづくりもしています。

「大手ヘリコプターの運行会社から、『新たに購入したヘリコプターのメンテナンスで使うジャッキ用架台をアルミ素材で作れないか』という相談を受けました。6トンほどの重さのヘリコプターをジャッキアップする際、高さ合わせのためにジャッキの下に置く架台が必要になり、それを軽量なアルミ素材で作りたいという依頼でした。アルミ溶接ができるところを探し、うちの会社へ連絡が来たわけです。」

<ヘリコプター用メンテナンス特殊ジャッキ架台>

これも初めての仕事でしたが、「なんとかなるでしょう!」と受諾。ヘリコプターの重量に耐えられる新たなアルミ架台を図面設計から始め、アルミ溶接で作り、納品しました。

「現場での使いやすさを考えて軽量なアルミ架台になったわけですが、うまく使えているようで、その後も追加注文が来ました。」と茨木さん。

お客さんの喜ぶ顔を見ることが一番嬉しい

『カシマウェルディング』の仕事は、一つひとつオーダーメイドで応えるものばかりです。こだわりは高品質の溶接、仕上がりの美しさ、そして納期を守ることです。例えば、折れたバイクのアルミ製ブレーキレバーも溶接で繋ぎ合わせ、さらに補強もした後、綺麗に研磨して依頼主へ戻しました。

<ブレーキレバー修理。アルミ製ブレーキレバーが破断してしまった

個人の方からの依頼で溶接修理後研磨してお渡ししました。>

「そうやって納品した後、『こんなに綺麗に直るなんて思っていなかった』と言われると、私としても『よし、やった!』と嬉しい気持ちになりますよ。やっぱりお客様の喜ぶ顔が一番ですね。その顔を見るためにも、業界の展示会に行ったりして、最新の技術を常に勉強するようにしています。」

バイク乗りから溶接職人の道へ

そんな茨木氏ですが、もともとはバイク乗りでした。15歳の頃からレースにも出るようになり、壊れたバイクの修理をしてもらうため、板橋区にあった溶接会社によく出入りをしていました。

その後、世帯を持つようになり、運送業で生計を立てていましたが、手に職をつけたいと、その溶接会社の親方のもとに弟子入りを願い出ました。そして、稼ぎは運送業で得て、親方のところでは技術を教わるという生活を6年続け、親方から「もう教えることはない」と言われて独立をしました。独立の際、親方は「これがないと仕事にならないだろう」と新品の溶接機を餞別に用意してくれたそうです。茨木さんは「何も持っていなかったので本当に助かりました。」と振り返ります。

<思い出の溶接機>

最初は生まれ育ち、自宅もあった足立区柳原で溶接会社を経営し、その後、現在の千住緑町に移転しました。「足立ブランド」については、足立法人会の先輩の会社が認定されたことでその存在を知り、自分の会社も認定を受けたいと申し込みをしました。認定後は、「足立ブランド」という信用で仕事の幅も広がったと言います。

生まれ育った足立区への“恩返し”

「生まれ育った足立区には、いい仕事で恩返しがしたいと考えています」と茨木さん。足立区主催の花火大会の協賛企業として新聞広告を出したりもしています。

また、江戸時代に葛飾北斎が描いた「富嶽三十六景」で、千住を題材にした作品が3点あり、足立区内のその縁の地に「NPO法人千住文化普及会」が顕彰碑を設置する際には、その製作を「カシマウェルディング」が請け負いました。

「これは私にとっても誇りに思う仕事のひとつです。」と茨木さんは嬉しそうに語ります。

<カシマウェルディングが製作した顕彰碑。

葛飾北斎が描いたと思われる場所3ヶ所に設置されている。>

『カシマウェルディング』は創業後、20数年ほどは茨木さんと奥さんのふたりで経営をしていましたが、その後、大手造船所の溶接で約8年、修業をした長男の真平さんが入社し、現在は工場長を務めています。

「息子が入社してくれたので、出張溶接の依頼にも応えられるようになりました。現場へ出かけないとできない溶接も多いのです。遠いところでは仙台からの依頼を受けたこともあります。現場の段取り力は息子のほうが上で、私が一緒に行くときはサブに回ります。」

<息子、真平さんの入社をきっかけに、出張溶接の依頼に応えられるように。>

茨木氏の仕事の根底には「人が作ったものなら、直せる。」という思いがあります。だから、どんな難しそうな依頼でもたいていは「大丈夫ですよ。」と受けてしまいます。

せっかくうちの会社を見つけてくれて、相談してくれているのだから、『できない』とは言いたくないんですよ。でも受けてから、どうしたものかと悩んで夢にまで出てくることもあります。そして考え抜いた末に、『あ、こうすればいいのか』と思いついたりするんです。」と、茨木氏は楽しそうに話してくれます。

「足立には頼れる会社がたくさんある。」そう思ってもらえるよう、カシマウェルディングは力を尽くしていく決意です。


企業情報
有限会社カシマウェルディング
https://kashimawelding.com/

会社名:有限会社カシマウェルディング
住 所:東京都足立区千住緑町1丁目20番18号
電話番号:03-3881-5672
代表者:茨木 堅

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産業経済部産業振興課ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605

足立ブランド公式Webサイト
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