「売れて欲しくない」超精密加工の商品ばかり作っていた樹脂精密切削技術の匠が初めて「売れて欲しい」と自信を持って話すアートを思わせるシンプルを極めた収納用品「アクリルトレイ」。
(本記事は「足立ブランド」としてPR TIMESに掲載したプレスリリースの転載になります)
足立区の優れた製品・技術を認定する「足立ブランド」は、2024年2月6日(火)〜2月8日(木)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第97回東京インターナショナル ギフト・ショー」に出展致します。「足立ブランド」認定企業であり、ギフト・ショー出展企業でもある株式会社オーエムの「アクリルトレイ」をご紹介します。
あまりの完成度の高さに「売れたら大変」と話す商品が生まれた理由
開発・販売している当事者が「あまり売れて欲しくない」と語る商品がある。
足立区のプラスチック加工メーカー、株式会社オーエムの「btrail(ビートレイル)」だ。
「部屋に飾ることができる知育玩具」と銘打たれた「btrail」の佇まいは、まさにアート。
区内の優れた製品・技術を認定する「足立ブランド」にも選ばれた同社の強みである樹脂の精密切削技術が余すところなく発揮された、積み木を思わせる透明な美しいブロックを組み上げると完成するアクリルの迷路は一見オブジェのようだ。しかし、ただ飾るだけでなく、どのように組み上げても一分の狂いもなく溝をビー玉が通り抜ける気持ちよさが癖になる精密さを持ち合わせている。
しっかりと考え抜かれ、しっかりとした技術で完成させた商品は、それだけでアートのような美しさを身に纏うことがある。「btrail」はまさにそんな逸品だ。
知育玩具としてではなく、アート色の強いインテリア雑貨としてぜひ自分の部屋に置きたい。
そう思って商品を手に取ると、¥33,000(税込)という金額に驚かされる。
「いや、これでも全然利益は出ないです。むしろ作れば作るほど大変で、できればあんまり買って欲しくないぐらい(笑)」と話すのは、専務取締役の大村賢二氏だ。
元々知育玩具として広く販売しようというよりも、自社が誇る樹脂の微細な樹脂切削加工をPRするサンプル品になればという思いから開発した自社ブランド品だという。
そんな狙いもあって、当然「btrail」には自社の技術を余すところなく詰め込んだ。複数のブロックに穴を空けて、それぞれの位置が全くズレが生じないように加工するのは大変な苦労があるとのこと。確かにできる、自社ならできる、しかし簡単にできるわけではない。手間も掛かる。だからあまり売れすぎても困る。そんな事情であるらしい。
プロダクトデザイナーが思わず買ってしまうプロダクト
狙い通りと言うべきか、お子様向けの知育玩具として「btrail」を購入したお客様はほぼ居ないそうだ。購入者の大半はインダストリアルデザイナーやプロダクトデザイナーなど本来「商品の造り手」側を担う人たち。「手元に置いてじっくりアクリルでどんな加工が出来るのか、知恵を絞りたい」と話して買っていくデザイナーさんが多いと大村氏が教えてくれた。言葉を聞いてイメージした購入層とは異なっていたが、確かに「知育」玩具と言えなくもない。
近年では、こうした高い技術を持つ自社ブランドの商品開発やPRが実を結び、工業デザインや店舗什器のデザイン、スタートアップ企業など様々な新規顧客から「樹脂を使ってこんな表現は可能か」という引き合いが増えているという。2019年にはミラノサローネに出展する企業の作品に協力を求められるまでになり、まさに世界のデザイナーが注目する場で技術を認められる企業となった。
狙いどおりの成果は上がった。しかし商品としては売れていない。
売れても困るが、それはそれでなんとなく悔しい、ということなのだろうか。
そこで、株式会社オーエムが満を持して開発した次なるアクリルの美しさを持つ「売れても良い」商品こそが、今回紹介する「アクリルトレイ」である。
シンプルな商品名に隠されたこだわりと技術
自宅やオフィスで文房具や雑貨を置く収納用品としてアクリル製品を愛用している人は多いだろう。一見すると、「アクリルトレイ」というシンプルの極みともいえる商品名もあって、株式会社オーエムのアクリルトレイもそんな「どこにでもあるアクリル収納用品」に見える。
しかし、じっくりと見ていると、日常にそっと寄り添うシンプルなデザインの中に、アクリルの美しさと存在感がしっかりと伝わってくる。大量生産の安価なアクリル収納用品では成し得ない、絶妙で奥深い湾曲と磨きの美しさが、主張しすぎず、されど明確な印象を持ってそこに在る。
眺めるものではないが、手元に置いてさりげなく視界に入るだけで、自分の生活が一段上質になったような豊かさを感じられる。まさしく理想的な道具と言える仕上がりだ。
こぶりな円と、お気に入りのメガネや万年筆を置くのに相応しい楕円の二種類。
さらに仕上げも二種類のラインナップから選ぶことができるという。
クリア
ブラスト
アクリルといえば、透明な美しさと引き換えにどうしてもキズが付きやすいというイメージがある。
樹脂加工を生業とするからこそ、そんなアクリルに付くキズの味わいも楽しんで欲しい。そんな想いで作られた透き通った「クリア」と、いつまでも購入した時のままの姿で普遍的に楽しみたいという方のために作られた、キズの付きにくいサンドブラスト加工を施した「ブラスト」だ。
収納用具をステージに昇華するディテールへのこだわり
オーエムの「アクリルトレイ」のこだわりは、仕上げの加工だけに留まらない。
なんと、このアクリルトレイには下に敷く専用のレザーが用意されている。
栃木レザーに足立道具店というロゴが空押しされたこの下敷きが、プロダクトに奥深さを与える。
最初に見た時はレザーがアクリルの透明感を損なうのではと邪推したのだが、実際に使ってみると、アクリルトレイと机など「トレイを置く場所」との間にこのレザーが挟まることで、トレイがより空間に馴染む落ち着きを手に入れる。アクリルトレイというステージを魅力的にする舞台装置のような独特の効果がそこにあることが実感できるだろう。
実はこのレザーも株式会社オーエムと同じ「足立ブランド」認定企業である株式会社和宏のレザーブランド、minca によるものだ。空押しも足立区の企業、株式会社トーハクが施している。
そして販売されているのは足立区自体をひとつの町工場と捉えて足立区謹製にこだわるプロダクトブランド、「足立道具店」のオンラインショップ。
まさに足立ブランドと足立区のものづくりを結集した逸品に仕上がった。
形や仕上げが選べる、足立区の技術を集めた、しかし日常使いできる収納用品。「アクリルトレイ」というシンプルな名前にも、「BALUMUDA The Toaster」などを思わせる「これこそが、正しいアクリルトレイなのだ」という強い自負と自信が感じられる。
あれ、なんだか「btrail」の時と違って、オーエムさん随分売る気じゃないですか。
そう話を振ってみると「シンプルだけど日常使いの中で自分達も使ってみたいと感じ、使用していくうちにアクリルにつく擦り傷なども愛おしくなっていく、そんな存在感のあるアクリルトレイだと思っています。」とのコメント。
これならば、いくら売れても困らない。
むしろ多くの人に手にとってもらって、アクリル樹脂が持つ真の美しさを知って欲しい。
そんなBtoCに挑む優れた技術を持つ町工場としての決意が感じられた。
株式会社オーエムは2024年2月6日(火)〜2月8日(木)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第97回東京インターナショナル ギフト・ショー」にも「足立ブランド」として出展予定。
ギフト・ショー内の「SOZAI展」コーナーに「足立ブランド」名義で出展しており、展示される「アクリルトレイ」や「btrail」を実際に手に取って確かめることができる。ぜひご来場の上、アクリルが持つプロダクトデザインの美しさを感じて欲しい。
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企業情報
株式会社オーエム
https://ohemu.com/
会社名:株式会社オーエム
住 所:東京都足立区一ツ家3-24-23
電話番号:03-3884-1333
代表者:大村 初男
事業内容:
・樹脂精密切削加工
・樹脂接着加工
・樹脂曲げ加工
・樹脂プレス加工
・フィルム材抜き加工
「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。
株式会社オーエムは、この「足立ブランド」認定企業です。
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取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。
産業経済部産業振興課ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605
足立ブランド公式Webサイト
https://adachi-brand.jp/